生存戦略模索blog

うつ病、発達障害から退職した元公務員が人生の再構築を模索するブログ

発達障害(ADHD)とうつでも人生を諦めたくない

ADHDとはどんなものか

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 こんにちは、umahikaです。

 私はうつと診断されてから心療内科に通院しております。

その通院先の病院にて、発達障害の一種であるADHDと診断されました。

ADHDとは、注意欠陥多動性障害とも呼ばれ、簡単に説明すると

  1. 集中できない
  2. 落ち着きがなく、衝動性・突発性がある
  3. 不注意である

 というのが主な特徴として挙げられます。

 

 私自身のことに当てはめて考えてみると、上記1に関しては、仕事中に色んなところに気が散ってしまい、目の前の仕事に集中出来ず、頭の中では

「そういえば来週は×××と会う約束しているから、お店予約しなきゃ。あぁあいつは▲▲が好きだからAというお店でなくてBが良いかなー」

と、無限にそんなことを考えてしまったりします。

 また、同時並行でマルチタスクを抱えていると、頭がパニックになってしまい優先順位がつけられず、明らかに重要性が低い仕事を先に取り込んだ挙句、その重要性が低い仕事の完成度を100%にしようと取り組む結果、重要度が高い仕事の期限に間に合わない。と、いうようなことが常でした。それに関しては上司から散々注意されました。その時は反省し、改善しようと付箋を貼ったり、エクセルで進捗管理表を作ったりするのですが、結局改善されることはありませんでした。

 

 次に上記2ですが、これも1と関連しますが、黙々とやるべき作業を進めている時に、横に座っている先輩から「umashika君、もし余裕があったら、私のこの仕事を手伝ってくれない?」と言われると、「ハイ!やります!」と例外なく威勢よく答え、引き受けるのですが、本当は余裕はない状況(自分で判断が出来ていない)にも係わらず、その時分の仕事をほっぽらかして、他人の仕事に取り組む、などよくありました。先輩は、ちゃんと「余裕があったら」と言ってくれているのにも関わらず、自分の状況の客観的判断をすることもなく、引き受けるがためにパンクするということがよくありました。別に、断ることが出来ないわけではありません。単純に適切な判断が出来ないのです。

 

 上記3ですが、不注意も連続であり、例えば自分でとある事業者に対して、お金を支出する手続きを済ませ、決裁まで取り、自治体の支出を最終的に許可する会計課までもう当該書類が回っていると思っていたにも関わらず、実はその書類は引き出しの中にあったということが何度かありました。後日会計課から電話がかかってきて気づきます(支出手続きはPCのシステム上で行っているので、会計課からはなぜその書類がまだ届いていないのか等を参照することが出来、法律や条例で要求される期限間近になると確認の電話が入ったりする。)。これが本当に大きい事案であり、始末書を書いて課長のハンコを貰い、会計課に提出しなければならないこともありました。その時は本当に情けなくて、泣きそうになりました。

 

 更に、プライベートについて考えてみると、片づけが全くできない。しようと思っても出来ない。散らかっている。お金の遣い方にも衝動性があり、学生時代にはとある100万円以上する買い物をローン組んで契約してしまったり(その後慌ててクーリング・オフをしました)。学費として親から振り込まれたお金を旅行代金に流用したり(その後めっちゃ怒られました)、散々な経験をしています。

 

 と、まぁ挙げれば挙げるほどただのダメ人間なんですが、これらのことが、ADHD的な脳の特性によることは自分の人生を振り返れば振り返る程、「あぁ、そういうことだったのかぁ。」と納得がいく部分も多く、確かに全部が全部そのせいにするのも一般の方からしたら都合が良いと思われることは承知ですが、ある程度はこの特性が影響しているといえると思います。

 気分を害された方は、申し訳ございません。

 

 診断はどのようにして下るのか

 

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 私の場合は、当初から発達障害を疑って心療内科に通っていたわけではないですが、掛かりつけの医師から、「発達障害の可能性が疑われますから、検査をしてみますか?」と提案を受け、今まで自分が発達障害だなんて考えてもいなかったので、その時は多少動揺しましたが、後日母親の来院日なども調整して、臨床心理士との対面で検査をしました。

 ちなみに、多くの病院では発達障害の診断をする際には親を呼ぶように言われることが多いです。

 これは、患者の幼少期からの行動や言動、特徴などを一番間近で見てきた者の客観的意見も十分に斟酌して慎重な診断を下すためだそうです。

 

 そして、その診断に使われるテストが、成人の場合、ウェクスラー成人知能検査、WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale、通称ウェイス)というものを受けることになります。このウェイスという検査ですが、IQテストみたいなものです。ていうか、多分IQテストです。実際に自分のIQを知ることとなります。

 

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https://h-navi.jp/column/article/725

 

 所要時間は大体2時間程度であり、臨床心理士からの質問に答える形式を基本とし、中には図表で見たとおりの形を、積み木で組み合わせて完成させるまでの時間を計測する、パズルのようなものもありました。

 全部の検査についてはよく覚えていないのですが、中には日本語の知識を問うような問題もあります。例えば私が質問されたもので覚えているのは、「(『人権蹂躙』と書かれたカードを見せられて、この単語の意味を教えてください。」というようなものです。これを自分の言葉で答えます。単語は、ごく平易なものから、比較的高度なものまで満遍なく示されます。

 私が実際検査を受けてみて、特に苦戦をしたのが上記の積み木を用いて、実際に図表で示された形を完成させる形式のものでした。これは、やりながら自分でも「相当時間が掛かっているな~」ということを認識していたのですが、結果を説明された時に、一番数値が低かったです。

 ちなみに、私が試験を受けている一方で、別室では母親が別の臨床心理士から私の幼少期や少年期などについて詳しく質問を受けていたようです。

 

ウェイスの結果

 私は言語理解という部分の数値が135くらいで一番高く、処理速度も割と高い数値でした。そして愕然としたのが、知識統合分野(例の積み木を完成させるような形式も含まれる)が70くらいで、最も低い数値を示しました。全体ではIQは110くらいでした(平均は100)。医師や臨床心理士がいうには、ここまでバラつきが大きいと苦労しますね、と言われました。私が検査前に問診で自分の困っている事として、「片づけが一切出来ない、車の運転などが苦手、気が散って疲れやすい」など、大体数値を見て分かります。と言われました。

 

 自分の中では、発達障害と診断され、今までの様々な不都合や苦労の一因がようやく分かった気がして、気休めかもしれませんがホッとしました。そして、今まで自分は本当にダメ人間なんだ、ヤバい、マジでやばい。と思っていたのも、脳の特性が影響していると考えれば、幾分気が楽になりました。

 

 尚、より詳しいウェイスの検査については以下のウェブサイトで丁寧に説明がされておりますので、興味のある方はご参照下さい。ご自身で、生き辛さを感じている方、発達障害かと疑っている方は、是非一度専門医に相談することをオススメします。なお、最近は発達障害で受診する方も増加傾向にあり、検査の予約をしても数か月後となることがありますので、その辺はご理解の上病院へのご連絡をお願いいたします。

 

h-navi.jp

 

薬について 

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 私は現在発達障害、とりわけADHD治療薬(ストラテラ又はコンサータ)は服用しておりません。うつ病の治療として、SSRIを服用しているため、今は単独でSSRIのみを服用しています。ジェイゾロフトという薬です。この薬によって、うつ病の際に欠乏しているセロトニンを脳内に増やすことによって、大きな不安や絶望感などの症状を緩和が期待されています。実際に、服用してもうすぐ1年になろうとしていますが、うつ自体の症状としては大分改善されてきたように感じています。当初は、ベッドから起き上がれない、突然泣き出す、突然「死のうかな」と口走るなど、そういう状況でしたが、最近は妻との会話も楽しめるようになってきました。そろそろ減薬したいとも思っていますので、医師に相談の上決めようと思います。

 

 抗うつ剤治療が終わった際には、是非ストラテラという、ADHD治療薬を服用したいと考えています。実際にこれにより随分ADHDの症状が緩和されたという患者さんとも知り合ったので、試してみたいという気持ちが強まっています。コンサータという薬もあるようですが、これは成分がかつてのリタリンと同じ成分ということで少し怖い気持ちがあるので、どちらかといえばストラテラに期待しているところです。

 

 発達障害やうつでも社会へコミットしたいし、人生を諦めたくない

 最後に、発達障害は生まれ持った脳の特性であり、その結果日常生活に様々な困難を来すことがあるという事は、前述のとおりです。うつ病もまた、仕事、家庭、環境変化等様々な要因によって脳が壊れてしまって、幸せを感じることが出来るセロトニンが欠乏している状態であり、これも放っておくと深刻化し日常生活に大きな困難を来します。

 病気や障害については早めに医師に相談し、適切な治療をし、第一段階としてはしっかり休むことが絶対必要です。休んでいる間は、仕事のことが気になったり、収入面で不安に襲われたり、当初の原因とは別の要因でまた不安になることもあるでしょう。実際に私がそうでした。でも、再起不能になってからでは取返しがつかないので、まずはご自身の体を労わってあげて欲しいと思います。その間、周りの方に甘えても良いと思います。うつになる方は、大抵「周りに迷惑を掛けたくない」という真面目な方が陥りやすい病気です。病気の時くらいは、弱音を吐いて、弱い自分を晒してみるのも良いんじゃないでしょうか?

 私はかつて人に弱みを見せることが絶対に嫌で、苦しい時も悲しい時も家族にさえ気丈に振舞っていました。でも、いよいよ全部メッキが剥がれて弱さが露呈した時、最初はすごく恥ずかしい気持ちがしましたが、今は弱い部分を見せられたことにより、家族とは以前より良い関係を築けていると感じています。

 

 また、たとえ家族の理解がすぐには得られなくても、日本では社会保障が手続きにより受けられます。社会保障はあなたも今まで誰かのために負担していたのであり、自分が受けなければならない時は受けて良いものです。生活保護障害年金等用意されています。それらを受給することは全く恥ずべきことではなく、社会復帰の足掛かりとするために認められた必要な権利ですので、どうぞお困りの時は役所や病院、その他支援機関等にご相談されて下さい。

 

 発達障害やうつでも社会復帰は十分可能だと考えておりますし、今後は自分の強みを分析し、自分の能力を発揮しやすい仕事をしていきたいと考えております。時間はかかるかもしれませんが、また失敗したらしたで良いと思います。また試せば良いと思っているのです。

 

 もっと失敗に寛容で、チャレンジを歓迎し、多様性を許容できる社会になれば障害者だけでなく、その他のマイノリティも生き易い世の中になるのではないでしょうか。私の夢はそのような社会にしていくことです。

 

 皆さまに幸多からんことを。