生存戦略模索blog

うつ病、発達障害から退職した元公務員が人生の再構築を模索するブログ

持つ者と持たざる者 

持つ者と持たざる者

 持つ者はますます富み、持たざる者はなす術もなく歯車となるのみで、やがて朽ち果てる。

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 これは古代の身分制社会から続く世の常であり、高度な民主主義社会が確立された今も尚変わっておらず、それどころか資本原理主義を謳歌する我が国をはじめとする先進諸国においてはその格差はますます広がるばかりです。

 それもそのはず、少し前に大ブームになったフランスの経済学者ピケティ氏の著書『21世紀の資本』で指摘されたとおり、資本主義では【r > g】の原則が働いており、資本家と労働者の格差は広がるという矛盾が内在しているからです。rとは資本収益率、即ち、株式や債券、その他不動産などの広い意味での資産から得られる収益率を表しており、gは労働者が働いて得ることができる所得などである国民所得の成長率を表しています。資本は国民所得の伸び率よりも高い収益率でどんどん蓄積され、それが相続されるので、資本家と労働者、持つ者と持たざる者の格差は広がるばかりだということです。

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サルでもわかるピケティ入門①:r>gってなに?

 

人間は生まれながらに不平等

 持つ者は最初から多くの資本を武器に、自分の子供にも多額の教育資金を投入し、小さな頃から塾通いさせ、ピアノや英会話、華道や水泳など多くの習い事をさせ、教養を身につけさせようとします。また、持つ者が付き合う人もその多くが''持つ者''であるので、その子はその親の豊富な人脈やコネクションを活用することが出来、簡単に富を再生産することが出来るのです。

 

 一方、持たざる者はどうでしょう。親が高卒、単純労働者、よくて35年ローンで購入したマイホームとマイカーと雀の涙ばかりの預貯金くらいが総資産だという場合。これはまだ良い方でしょうか。親がアルコール中毒、DV、犯罪者、ギャンブルなどによる借金、家に漫画以外書籍類が皆無。そのような悲惨な家庭で育った方もいらっしゃるでしょう。しかしこればかりはどうしようもありません。子は親を選べないのであり、人間はスタート地点で不平等であり、この事実は受け入れる以外にないのです。

 

 私自身も''持たざる者''の家庭で育ったため、親の貧乏を何度も呪いましたし、今でも不平や不満を言いたくなることもあります。しかしながら世界的に見れば日本人に生まれたこと自体が奇跡であり、ラッキーだったと思うようにしています。例えばインドに生まれたならば、法律上根拠を失ったといえど、未だにカースト制で本人の人生が規定されてしまいますし、内戦中のアフリカのどこかに生まれたならば、生まれながらにエイズだったかもしれません。そのような意味で、いくら日本国内で格差が広がっているといえども、世界的に見れば日本人であることだけで上位5%以内に入るくらいの勝ち組なのです。

 

持たざる者の3つの生存戦略

 

 前述のとおり、資本主義社会は経済格差を助長する方向に働き、これはシステム上どうすることもありません。しかし、日本は高度な成熟した民主主義国家であり、スタート地点での不平等を是正するための、国家による様々な救済措置が与えられています。

 勿論、それは生活保護障害年金などの憲法25条で保証されている「人間らしい生活を送るため」の最低限度の社会保障施策だけでなく、私たちが当然のように享受してきた義務教育もそうです。また、公立であれば高校にも格安に進学することが出来ます。教育に莫大なお金がつぎ込まれている''持つ者''よりは、多少自分自身での工夫や情報収集などが必要ですが、努力如何では持たざる者にも逆転する機会が無数に与えられているのです。

①従来型の成功モデルを目指すなら

 例えば、少し時代遅れにはなりましたが、従来型の成功モデル(良い大学⇒一流企業⇒まぁまぁの所得)を目指すならば、県下トップの公立高に進学し、東京大学京都大学をはじめとする一流大学に進学します。そうすれば就職は総合商社やメガバンク、大手メーカー、外資系企業等引く手数多でしょう。あるいは国家公務員総合職(旧国家公務員1種)試験に合格し、日本を動かす官僚になることも出来るでしょう。成績優秀であれば大学は学費が免除になる特待生制度なども設けられているので、活用出来るところは活用するべきでしょう。

 もしくは、法律で独占業務が規定されている難関国家資格を取得することも可能でしょう。しかし、現在は弁護士や会計士をはじめとするこれらの士業は人数が増え、過当競争傾向にあり、「資格さえとれば安泰」という時代は過去の話になってしまいました。開業し成功するためには一定の営業面やマーケティング面での工夫が必要といえるでしょう。

 

②競争が激しくないところで戦う

 一方、近年は超高齢化・少子化社会となり国内の人口は遂に減少局面を迎えました。それは国内の需要が減少していることを意味し、年金の問題や終身雇用制度など、従来の日本型成長モデルではもはや世界との競争に勝つことが出来ず、遅かれ早かれ様々な制度の破綻と日本の更なる国力の減退自明です(残念ですが)。

 

 今まで、絶対的安定とされていた大企業や公務員への就職モデルも絶対ではなくなっています。それどころかいつ、自分の会社が突如として外資に買い叩かれてしまうかも分かりません。 好むと好まざると、私たちはグローバル化の渦に飲み込まれ、欧米諸国のみならず、台頭するアジアなどの新興諸国と激しい競争に強いられるのです。

 

 そのような事情も踏まえ、最初からアジア諸国に就職するのもありかもしれません。最初は、その国のビジネス事情なども分からいでしょうから、一旦日系企業や現地企業へ就職し、その後に自分で現地で起業するのもありでしょう。アジアではなく、「地球最後の市場」と呼ばれる成長著しい、アフリカを目指すのもありかと思います。日本では既に''当たり前''であり、過剰供給、過当競争となっている市場でも、一たび新興国に目を向ければ、そのまま日本型の''当たり前''モデルが適用出来る事が多々あります。

 

 私の好きな起業家で、沖縄出身の元ニート、公務員志望だったけど試験に受からなくてアフリカ向け中古車輸出ビジネスを始めたことをキッカケに5年で年商300億円、約50社の会社経営者になった金城拓真さんという方がいます。この方が良い例だと思います。

twitter.com

 

③個人的能力の強化、セルフブランディング

 これは情報社会だからこそいえることですが、自分で何らかの情報を発信するメディアを運営し、セルフブランディングを行い個人の知名度、価値を上げることを目指すのも手っ取り早いでしょう。

 スマホが完全に普及し、今や老若男女が常にインターネットと共にある超情報社会が到来しました。旧来の絶対権力だったテレビの影響が減少し、誰もがインターネットを通じて超低コストで情報を発信し、瞬時に欲しい情報を入手できるようになりました。これに伴いネット広告市場は成長を続けており、減少傾向のテレビ広告と対照的です。

 

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市場環境 | 株式会社サイバーエージェント

 

 また、ネット広告市場の中でも、2015年にははじめてスマートフォン向け広告がパソコン向けを上回りました。この傾向は今後ますます加速すると予想されています。

 

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市場環境 | 株式会社サイバーエージェント

 このように現在では毎年ネット市場向け広告費が増加し続けているので、個人でブログやTwitter、インスタグラムなどを運営し広告収入を得ている方が格段に増えました。本当に学生から60代くらいの年配者まで行っています。参入者は増えていますが、質の高いコンテンツを提供出来れば、ある程度の収入を得ることが可能である証拠であり、自分で情報発信をするコンテンツを保有することである程度の収益化が可能です。サラリーマンの方であれば、副業としてコストゼロで初めることが出来ます。

 ブログ運営で確固たる地位を築いた人といえば、イケダハヤトさんや八木仁平さんが有名ですよね。 

www.ikedahayato.com

www.jimpei.net

 

 情報弱者の私からすれば非常に羨ましい話ではありますが、彼らの能力の高さとセルフブランディングが奏功した結果でしょう。

 

 私は現在のところしばらくアフィリエイトの予定はないですが、いつまでも情報弱者ではいられない、というかその辺からは逃げられないと考えておりますので、勉強しながら、導入すべき時に挑戦したいという思いはあります。

 

まとめ

  • 資本主義社会では格差が拡大するのは当たり前
  • 人間は誰しも平等でないことを受け入れた上で戦略を立てる
  • ''持たざる者''のとり得る戦略としては

  1.公立校でなるべくお金をかけずに一流大学⇒一流企業・官僚・資格

  2.競争が激しくないところで戦う(ニッチ戦略、ブルーオーシャン戦略)

  3.個人的能力(特に情報スキル)を向上させ、セルフブランディングし、

    給与所得以外で自ら収益化コンテンツを運営、保有する。