グーグル・マイクロソフト・マッキンゼー・マスターカード・シティグループ・アドビシステムズの意外な共通点とは
こんばんは、umashikaです。
突然ですが、グーグル、マイクロソフト、マッキンゼー、マスターカード、ペプシコ、モトローラ、シティグループ、アドビシステムズには共通点があるのですが、ご存じですか?
多分、「アメリカの企業」と思い浮かんだ人もいると思います。それも正解です。
しかし、あと一つ、見逃せない共通点があります。
実は、これらの世界的大企業、全て印僑(インド系)がトップの企業なのです。
これは意外だったのではないでしょうか?ユダヤ人でも、華僑ではなく、インド系なのです。
今日は、最近読んだこの本について紹介します。
日本でもコンサルタント、大学教授などで活躍するチサン・チョードリーさんの最新刊、『頭で考える前に「やってみた」が、うまくいく』です。いわゆる自己啓発本です。
普段、あまり自己啓発本を読まない私が、この本を購入した理由は、以前、チョードリーさんにフォーカスしたテレビ番組の特集を観たことがあり、「日本の過疎地こそ宝の山に見える」と発言していた記憶がうっすらあったからです。実際、チョードリーさんは鳥取県の地域活性化をミッションとする会社の代表でもあります。
さらに、ジム・ロジャース氏が来日した際にインタビュアーを務めていらしたのが、彼だったらしく、その記事を読んでむしろ、チョードリーさんのことが気になったからです。
チサン・チョードリーとは何者か
http://www.new-spiral.com/lecturer.html
チョードリーさんは、バブル期に父親の仕事の関係で初めて来日。その時、自分の母国とは違い夢の世界のようにキラキラ輝く東京の街に惚れ、帰国後もその時の東京が忘れられず、再び日本での立身を志し、単身日本に渡った方です。
日本に渡って入った会社は飛び込み営業の会社。しかし、必死に営業を続けても全く売れず、一向に成果が出ない。その後、インドに一時帰国する際に、インドでも有数の大富豪と面会する機会を得ます。そのとき、彼は「日本での仕事が全く上手くいかない」と相談します。
大富豪は、「それなら、ジュガールを使いなさい。」と、彼にアドバイスしたのでした。その後、彼はジュガールをマスターし、瞬く間にトップセールスマンとなったということです。
インドに古くから伝わる成功する叡知、それがジュガール
ジュガールとは、一言でいえば''発想法やソリューションを考えること''を意味します。
この、ジュガールを完璧にマスターし、使いこなす人のことを、''ジュガリー''といい、インドでは昔から「一族にジュガリーが一人いれば一生困らない。」と言われているそうです。
インド出身の世界的大富豪が多いのも、このジュガールという考え方を体得し、実践しているからだそうです。
ジュガールを理解するための7つのエッセンス
- 少ない力で多くのものを得る。
- 自分の枠を超えた発想で考え、行動する。
- やわらか頭で考えて、ピンチをチャンスにする。
- シンプルに考える。
- 決してあきらめない。
- 自分を抑えつけない。
- セルフ・エフィカシー(自己効力感)を大事に育てる。
この、7つです。
以下で、著書の内容も少し引用しながら、私が特に気になった事例を少しばかりご紹介します。
過去の経験や常識にとらわれない習慣をつける ~冷蔵庫に電気は絶対必要か~
今、インドでは「ミティクール」という完全に電気がいらない冷蔵庫が大ヒットしているとのことです。最近は海外にも輸出されているそうです。
この冷蔵庫を発明したのは、インドで高校も卒業していない、貧困層出身の陶器職人です。彼はある日、特定の5種類の年度を混ぜて作った陶器に水をかけると、8度冷えることを発見したそうです。インドでは、いまだに電気が通じていない村がたくさんあるので、これを冷蔵庫に応用できないか、と考えたのがキッカケだそうです。
これこそ、正に「常識に囚われず、自分の枠を超えた発想」により、誕生した商品といえるのではないでしょうか。
チョードリーさん曰く、最近のインドではこのような常識を打ち破る発想により、貧困層から大富豪になるケースが珍しくないそうです。
また、彼は、かつてSONYが開発した「歩きながら音楽を聴く」という、これまでありえなかったことを実現した例も、ジュガールの一例だといいます。
多機能重視よりシンプルさ重視! シンプルなものに普遍性がある
http://business.financialpost.com/entrepreneur/take-steve-jobss-lead-and-think-simple
チョードリーさんがインドに帰ると、街の電化製品店で見かけるのは、携帯電話だとアップル社のi-phoneやi-pad、テレビだとサムスンやLG社製品。最近は中国製品も多くなってきたとか。
かつて、「高品質」、「Japan As No.1」として世界を席巻した日本製品はめっきり見かけなくなったそうです。店主も、「日本製品は確かに品質は良いが、複雑すぎてムダに高い。それに、ビジネスのスピードも話にならないほどスローだ。」と切り捨てたそうです。
故スティーブ・ジョブスは「Think Simple」を徹底しました。無駄を徹底して省き、''シンプルで使いやすいデザイン''が結局、''高機能だけど複雑''を駆逐したのです。
これは著書の内容とは関係ないですが、イノベーション理論の第一人者、クリステンセンの提唱する「イノベーションのジレンマ」とも関係してくると思います。
http://macbookdays.blogspot.jp/2009/01/pc.html
日本企業は、世界一品質に厳しい日本の顧客に対応するために、研究開発を重ね、技術を高めてきました。しかし、そのレベルはもはや市場が求めるニーズのレベルを超えてしまったんですね。こんなに複雑なものはいらない、と。
それに、日本人の人口はどんどん減少していきます。今、これまで家電など持っていなかったインドの貧困層や、南米、アフリカ、東南アジアなどがどんどん豊かになってきており、所得水準も上がっています。そういった新たに生まれた需要に目を向けられなかったのが日本企業の敗因かな、と個人的には考えます。
新興国の人たちのニーズを満たし、価格的にも手が出せる「必要最低限の機能と、低価格」のラインも展開するべきだったでしょう。
この点、インドのタタ自動車は革命的でした。
当時、インド市場でスズキの車が約50万円強で最安値で販売されていましたが、なんとタタ自動車の初代モデルは21万円という破格でした。
徹底したムダを排除した設計で、エアコンやエアバッグもオプションです。インドの新中間層の需要を取り込み、大衆車となりました。
たしかに、製品の機能が複雑すぎるとそれを使いこなすのも大変です。私も、家電の説明書なんか読みたくないですもんw
正に、複雑なものより、シンプルなものの方が普遍性があり、より多くの人を取り込める実例といえるでしょう。
「自分を抑えつけない」が、相手への本当の愛である
これは、本当に考えさせられました。
日本人は、古くから「恥の心」が根底にあり、日本人の奥ゆかしさ、思慮深さ、慎ましさなどはここから派生しているともいえます。茶の湯や生け花などの世界に誇れる文化も発展しました。
しかし、チョードリーさんは、「その美意識と人生は別物」と説きます。
今は、経済に国境がなくなり、「恥ずかしい」という気持ちを抱いたままであれば、アピールの上手な海外勢に太刀打ちできなくなってしまいます(ていうか、もうなってる?)。今は、どんどん自分から積極的にアピールして、自分の主張をする者が勝つ時代ということです。
ジュガールは、恥などで自分を抑えつけることを認めず、自分をどんどん全面に押し出し、アピールしていくことを求めるそうです。
確かに、私もそうですが、日本人はビジネスの場でも「最初だからメールにしておこうかな」と電話をすることを躊躇うことがあると思います。
チョードリーさんは、VIPであればあるほど、電話するそうですw
うーん、まぁこれは時と場合によるのだと思いますが、「一切のムダを省いて、ゴールへの最短距離を目指す」というジュガールの考え方からすれば、認められないのかもしれませんね。。。
まとめ
ジュガールは、現状の日本人こそ取り入れるべき考え方であると思います。
ジュガールが全体を通して言ってることは、「難しく考えず、まず行動しろ」ということなんでしょう。まぁ、他の自己啓発本にも書いているかもしれませんがw
私も考えすぎて、ダメにしたことが何度もあるので、ジュガールの考え方を取り入れて、実践してみようかと思いました。
現状に行き詰まりを感じている方などにオススメしたい一冊です。