社会不適合者に寛容な公務員試験(総論)
楽に「最低限度の文化的な生活」を手にしたい人にオススメな公務員
''公務員になるだけ''だったら簡単
こんばんは、umashikaです。
私は大学卒業後、専門職の国家公務員に就職しました。私は適当な学生時代を送っていて、人様に誇れるような経験も力を入れたものもありませんでした。バイトも長期間続いたものはありませんでしたし、サークルも途中でフェイドアウト、だからといって学問に注力したわけでもありませんでしたw
そんな私は、世界でも類を見ない嘘つき茶番合戦である、日本の民間企業への新卒向け就職活動に参戦し、勝ち抜ける自信はありませんでしたし、特に明確にどんな仕事をしたい、ということもありませんでした。それなら、ダメ元で大手レコード会社だけ受けて駄目だったら公務員でいいや、と感じで公務員試験を受けることにしたのです。言ってしまえば、消極的選択だったわけです。
(案の定、大手レコード会社は全滅でしたw SONY MUSICのみ、ある程度選考が進みました。)
なぜなら、人気の民間企業であれば何千人もがエントリーをし、茶番とはいえ1社につき面接を3~5回ほど勝ち抜かなければならないのに対し、公務員の場合は、職種にもよりますが、筆記試験さえ通ってしまえば、概ね1.5倍から2倍くらいのゆるゆる面接を突破すれば最終合格することができます(厳密には最終合格=採用ではないですが、ほぼ採用と思っていただいて差し支えないと思います)。
また、大学も2割くらいしか出席していなかったので、入試成績で学費を半額にしてくれた大学に進学したのですが、3年になるタイミングで打ち切られるくらいのGPAだったので、成績証明書も内定後に提出すれば良い公務員試験はなおさら都合が良いものでした。
"ただ、公務員になりたい"だけならば、とにかく併願せよ
下記は平成28年度及び平成27年度に行われた主な公務員試験の日程表です。
これだけを見ても、相当多くの日程を併願できることが判るかと思います。日程が被らない限り、幾つ受けても差し支えありません。また、ご自身の居住地ではない地方自治体を受験することも出来ます(稀に小さな自治体で受験資格を当該市町村の住民に限る制限を設けている場合もある)。
公務員試験は、国家・地方を問わず無料で受験出来ます。申し込みをして、受験をしないこともできます。ですから、「とにかく、公務員になれさえすれば良い」という方は出来るだけたくさん併願しましょう。毎年5月から6月にかけては国家公務員のほとんどの職種と地方上級A日程(都道府県庁又は政令市レベル)まで毎週試験ラッシュとなりますので、ご自身の体調等と相談しながら、受験すれば良いでしょう。私が受験した時は大体当日は7割~8割くらいの出席率だという体感でした。
私は、大学新卒時と3年後の転職時に、2回、公務員試験を受験しています。その時の戦績は下記のような感じでした。
1回目:国家Ⅰ種法律職(現国家総合職) 一次不合格
東京都特別区(行政Ⅰ) 一次合格 二次辞退
裁判所事務官Ⅱ種(現裁判所事務官一般職) 最終合格
国税専門官 最終合格
国家Ⅱ種(現国家一般職・大卒) 最終合格(官庁訪問せず)
地方上級行政職A日程(県庁) 一次不合格
地方上級行政職B日程(市役所) 一次合格 二次辞退
地方上級行政職C日程(市役所) 最終合格
就職先:国税専門官
2回目:国家総合職法律職(旧国家Ⅰ種) 一次合格 二次不合格
地方上級行政職特別日程(市役所) 一次合格 二次辞退
地方上級行政職A日程(県庁) 最終合格
転職先:県庁
1回目は、とにかく「就職先を確保すること」が最重要ミッションだったので、とにかくたくさん受けました。そしたら、4箇所に最終合格することが出来ました。第一志望は地元の県庁だったのですが、一次試験で不合格となってしまったので、残りの中から、なんとなくカッコよさそうな国税専門官になることに決めました。
1回目受験時は、民主党政権下で公務員の採用が極度に抑制されていたことと、リーマンショック後の買い手市場だったこともあり、公務員人気が高まり、倍率は高かったです。試験にもよりますが、1次の筆記試験で大体5倍台から20倍くらいでした。最も倍率が低かったのが東京都特別区で5倍強、第一志望の県庁上級行政職が20倍ほどでした。私が就職した国税専門官試験で一次の倍率が7倍台、最終合格率が10倍ほどでした。
2回目は、地元の県庁にリベンジするために受けたので、国家総合職と市役所特別日程は模試代わりに受けました。このときの受験は国税職員として勤務しながら受験しました。1回目、2回目とも市販の教材で独学で臨みました。不合格であれば、国税で引き続き勤務すれば良いと思っていたので、3つしか受けませんでした。結果として県庁に合格しましたが、1次の倍率が16倍、最終合格率が25倍ほどでした。
みかけの倍率に騙されてはいけない
以上のように、倍率だけ見ると結構なものに見えますが、これは公務員試験が無料であるがゆえに、記念受験層が半分くらいいるためであって、本当の倍率はこの半分以下だと思われます。
ですから、たくさん併願して、半年くらい市販の教材でそれなりに勉強すれば、かなりの確率でどこかには就職出来ます。私は3年生の年明けくらいから勉強を始めました。
一次さえ突破すれば、あとは1.5倍~2倍ほどの面接突破で最終合格!
上でも少し触れましたが、大手民間人気企業への就職は気が遠くなるものがあります。内定ゲットまでに3回~5回ほどの面接を受けなければならない上、マイナビやリクナビといった、インターネット就活が定番となってからは学生は優に数十社、多い人では100社くらいエントリーするのが当たり前になりました。結局、一部の高学歴優秀層が複数の内定をゲットするので、普通の学生はたくさんエントリーしてもなかなか結果が出ない結果、信じられないほどの数、エントリーせざるを得なくなるのですw
このブログ記事の趣旨ではありませんが、本当にインターネット就活は学生にとって大きな負担になっていると思われます。これはネット社会の必然の流れではありますが、企業側も学生側も疲弊する原因になっていると個人的には考えていて、現状誰も得していないと思います。
あぁ、それに比べてどんなに公務員試験の面接が楽なことか。国税専門官だと、個人面接1回、15分程度で終わりですw 倍率1.5倍ほど。 県庁の場合は個人面接30分ほどと、集団討論(グループディスカッション)が30分ほどありました。それでも一次合格後の倍率は2倍弱w
15分から30分くらいの間、先方が求める人材になりきれば、以上、終了です!
いかがですか? 民間よりよっぽど簡単ではないでしょうか。
勉強でカタがつくから社会不適合者が紛れやすい
上述のとおり、公務員試験の面接の倍率は1倍台から2倍ほどです。人事側は、どうしても筆記試験を突破した者の中から採用する人物を選ばなければなりません。その結果どういう事が起こるか。私のような社会不適合者が多く合格してしまう、という不利益な事態がかなりの高い頻度で生じますw
私のような発達障害っぽい人も多い気がしますし(あくまで個人の感想です)、元引き籠りとか何年も働いていなかった人とか、普通にたくさんいます。なぜなら、新卒向け公務員試験は多くの職種、自治体で30歳まで受けられますので、例えば新卒時に民間への就活に失敗したり、様々な理由で一度レールから外れてしまった人が、「人並みの生活とステータス」を得られる最後の砦である公務員試験をこぞって受験するのです。
でも、それで良いと思っています。なぜなら、一度失敗したらなかなかマトモなレールに乗ることが難しい日本社会において、数少ない敗者救済システムだと考えているからです。
公務員は公安職以外は思想チェックや素行調査を行っていない
公務員試験を受験するにあたって、受験生が良く気にされている事項の一つとして、私生活上の素行や、政治的思想に問題がある場合、秘密裏に調査をされて不合格になるのではないか、ということがあります。
この点、国家公務員法38条では、一般職の国家公務員の欠格事由として次のように規定されています。
- 成年被後見人、被保佐人(準禁治産者を含む。)
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
- 懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者
- 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
尚、地方公務員については地方公務員法16条参照(ほぼ同じ要件です。)
以上の事由は、制限列挙であり、これに該当しなければ、一応受験できることになっています。
この件については、私も当初、非常に気になっていました。なぜなら、私は学生時代風俗店の黒服として勤務していた過去があったからですw
しかし、蓋を開けてみれば、普通に複数合格し、内定をいただけたので、原則として個人のプライベートに関する素行調査等は行われていないとみて差し支えないでしょう。金融事故歴(いわゆるブラックリスト)がある知り合いも、合格していましたw
但し、公安職の職員(警察、消防、自衛隊など)は、その職務の特質上、実際に素行調査が行われているようなので、注意する必要があります。
警察官の友人が受験した際、面接前に警察の方が近所に来て、「〇〇さんは普段、どのような方ですか?」と聞いて回っていたそうです。また、警察では本人及びその家族などが共産党員でないか、という事までチェックされているとも聞いたことがあります(噂の域を出ませんが)...
参考までに。
景気が良い時ほど公務員になり易い
民主党政権下では、パフォーマンス的に公務員の採用が抑制され、さらにリーマンショック後の世界的な不況も相まって、公務員試験は全体的に倍率が高く推移していました。しかし、自民党が政権復帰後、採用が大幅に増え、株価や有効求人倍率、完全失業率、民間給与水準等から判断するに景気が回復局面に移行している等の影響で、民間企業への就職を希望する学生が増加しました。それに伴い、公務員試験の倍率は低下傾向にあり、近年ではかなり簡単な水準で推移しています。
よって、公務員になるなら今がねらい目といえるでしょう。
また、景気が後退すれば倍率が上がるのは目に見えています。
H26年度及びH27年度の国家公務員総合職(キャリア官僚)採用試験倍率
H26年度及びH27年度国家一般職採用試験倍率
H26年度及びH27年度国家専門職(国税専門官)採用試験倍率
H26年度及びH27年度裁判所事務官採用試験倍率
その他、各種地方公務員については、「お調べになりたい都道府県名、市町村名、採用」などと検索をすれば、各自治体の採用ページの情報を参照できると思います。
以上、社会不適合者がただ単に「健康で文化的な最低限度の生活」を手にいれるには、公務員試験が手っ取り早いことを説明して参りました。
勉強法や私が経験した範囲での国家公務員(国税職員)と地方公務員の仕事内容等についても別の機会に書いていきたいと思います。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。